概要

1911年に明治天皇の「済⽣勅語」により御下賜⾦を基に創⽴され、100年を超える長きにわたり日本最大の社会福祉法人として医療・保健・福祉活動を展開する社会福祉法人 恩賜財団 済生会。同財団の熊本県⽀部の1施設として1935年に設立された済生会熊本病院では、高度急性期病院に求められる最先端の医療システムの構築を進める中で、Rubrikのバックアップアプライアンスを採用。これによりDR対策のほか、ランサムウェア対策を支える統合バックアップ基盤を構築しました。

ITトランスフォーメーションの成果

熊本地震の教訓を踏まえ、Rubrikのバックアップアプライアンスによって同じ敷地内のバックアップ環境をクラウドに移行し、24 時間体制の医療活動を支えるDR 対策を強化。さらにRansomware Investigation、イミュータブル・ファイルシステムによってバックアップデータを確実に保護することで、ランサムウェアをはじめとするサイバー攻撃の脅威への対応力を強化。

導入前の課題

  1. 震災の教訓を踏まえたクラウドバックアップへの移行

  2. 医療活動の継続を支える情報システムの可用性の向上

  3. ランサムウェアなど高まるサイバー攻撃の脅威への対策

導入効果

  1. クラウドバックアップによるデータ消失のリスクの解消

  2. リストア対応の時間が大幅短縮

  3. イミュータブル・ファイルシステムによるバックアップデータの確実な保護

課題

理念に「医療を通じて地域社会に貢献します~質の高い医療を済生のこころとともに~」を掲げ、救急医療、高度医療、予防医療、地域連携、そして人材育成に取り組む済
生会熊本病院。2023年4⽉現在、2,100名超の職員を擁し、20の診療科目で地域社会の医療を支える高度急性期病院として大きな役割を担っています。こうした同院にとって、24時間体制の医療活動や院内業務を支える情報システムは重要な意味を持っています

「高度急性期病院である当院では、重症度や緊急性の高い患者様も多いことから、電子カルテをはじめとした情報システムには、決して停止することのない可用性が求められます。そのため2010年からはサーバの仮想化に着手し、現在はNutanixのHCI上でさまざまな院内システムが稼動しています。この柔軟な仮想化基盤によって、医療の現場からの要請に応えると同時に、IT投資も最適化することができます」


ソリューション

クラウドバックアップ、柔軟なスケールアウトなどIT投資の価値を高めるRubrikの優位性

済生会熊本病院の情報システムの構築・運用を支援する株式会社ブレスの松尾健司氏は、新たなバックアップソリューションの要件について、「医療活動の継続という前提からも、クラウド
バックアップ、サイバー攻撃への対策、そして柔軟なスケールアウトの実現が必須要件でした」と話します。

結果

リストアに要する時間が大幅に短縮DR対策の観点で大きな成果

Rubrikを活用した新たなバックアップシステムの導入プロジェクトは、2023年5月の移行完了に向けて現在進行中ですが、院
内システムの中でも最も重要な電子カルテシステムについては、すでにRubrikの導入による明確な効果が確認されていま
す。

「その1つがリストアに要する時間の大幅な短縮です。テストの結果、以前のバックアップ環境では数十分かかっていたリストア対応は、Rubrikによってわずか数分に短縮しました。震災の教訓を踏まえたDR対策の観点から見ても、これは大きな成果だと言えます」