年次のRSAカンファレンスでは毎回、期待の製品イノベーション、新たなパートナーシップ、サイバーセキュリティとリスクに携わる人の間で多くの議論がもたらされます。先頃のイベントでもそうでした。RSAカンファレンスは、先頃発表された米国の国家サイバーセキュリティ戦略に続いて開催されました。この戦略では、個人データを保持するテクノロジープロバイダーや組織の高まるセキュリティ願望について概説しています。Rubrikは、国家の目標に効果的に対応し、デジタルエコシステムの保護への注力を実証する2つの発表を行いました。RSAカンファレンスの際に、Rubrikはランサムウェア復旧保証サービスを拡張し、資格のあるお客様に対し、1000万ドルを保証すること、さらにはZscalerとの提携関係について発表し、業界初の二重脅迫型ランサムウェア対策ソリューションを披露しました。

共同責任への移行

国家サイバーセキュリティ戦略では、サイバー空間における役割、責任、リソースを抜本的に変えるという目標を打ち出しています。この戦略の重要な部分として、そうした負担の大部分を、われわれ全員の「リスクを低減できる最も有力な立場」にいる組織に移行することを声明で提唱しています。この数年Rubrikチームとともに働いてきた筆者は、製品サービスが進化し、顧客のリスク管理に関する幅広いニーズに対応する様子を見てきました。また、組織が自社のデータを保護できるようにするための取り組みへの献身も、その約束を守る様子も直接見てきました。新たな1000万ドルのランサムウェア復旧保証の発表は、その共同責任への取り組みと、利用できる機能を強化するものです。

3月上旬に国家サイバーセキュリティ戦略の目標が明らかになりましたが、国の各地で毎日新たなプライバシー法が制定されたり、ポリシーが提案されたりしています。また、国は、官民団体が収集・生成するデータを保護する方法への期待について、その基準を引き上げています。これらは、企業のデータ使用の変化だけでなく、そのデータを使用ライフサイクル全体で保護するために必要なテクノロジーツールの変化も促進する逆風となります。

言葉と行動

国家サイバーセキュリティ戦略を成功させようという願望のもと、パートナーシップの拡大や意図的な製品の拡充は期待の持てる動きですが、サイバーセキュリティ市場で利用できる、拡充され、より使いやすくなった機能を企業が生み出すという行動が見られれば、さらに影響力が増します。 

ここ数年の間にランサムウェアなどの脅威が増加していることを受けて、民間企業はリスクを低減するための積極的な手段に乗り出しています。脅威をめぐる環境に後れを取らずにいるために、テクノロジーベンダーは、絶えず作り、イノベーションを続けていく必要があります。このペースでイノベーションを続け、新製品を創造できているテクノロジー企業は、サイバー戦争を孤独に戦っているかのように感じることの多い組織に安堵をもたらします。 

二重脅迫型ランサムウェアの脅威と戦うRubrikとZscalerの新たな連携は、志を同じくするサイバーセキュリティ企業がコラボレーションし、サイバー攻撃との共同の戦いにおいて、実際に「一緒の方がよい」というソリューションを実現できると何が可能なのかを示す格好の例になっています。今日、クラウドとAIの時代において、データは、組織の巨大なリスクでもあり、最大の競争上の優位性でもあります。だからこそ、データを保護し、適切なデータセキュリティソリューションを実装することが極めて重要なのです。RubrikとZscalerが両社の人材とテクノロジーを融合させれば、両社のお客様は、さらに強化されたサイバーレジリエンスの利点を享受することができます。

すばやく動く

良い知らせは、すぐに広まると言われます。サイバー犯罪者たちと戦っている企業も、データ保護、ビジネスレジリエンス、ゼロトラストの目標を達成する過程でイノベーションを活用し、すばやく動けることに期待しましょう。

デジタルエコシステムを保護する新たな方法を称えたいと思います。
      
          - Suzette Kent、Kent Advisory Services CEO、元連邦政府CIO