概要

「誰もが見たくなる未来。」というコーポレートメッセージを掲げ、幅広い消費者に向けた40 以上ものサービスを提供するインターネットカンパニーとして知られる合同会社DMM.com。創立から21 年を迎え、すでに3,000 万人以上の会員数(2019 年2 月期)を誇る同社では、これらのサービス運用を支える大規模な仮想化基盤のバックアップシステムとして、Rubrik のCloud Data Management(CDM)を採用しました。これにより、複雑なバックアップシステムのシンプル化と属人的な運用の解消にとどまらず、未来を見据えたデータ資産を新たな活用の可能性を模索しています。

課題

  1. シンプルな運用が可能なバック アップ環境の整備

  2. バックアップの属人的な運用、 人的負荷の解消

  3. データ保全に関する全社的な意 識変革

  4. データ資産の適切な保護、 新 たな活用を支援する基盤の確立

結果

  1. 動画コンテンツなど、 膨大な データ資産のバックアップ課題 の解決

  2. 複雑なバックアップ作業に要す る時間と現場の負荷の軽減

  3. 人手に依存しない効率的なバッ クアップシステム運用

ITトランスフォーメーションの成果

  1. バックアップにかかっていた時間と人的不可を大幅に削減

  2. データ資産の適切な保護を実現

課題

事業の成長の中で増え続けるデータとバックアップの課題

動画コンテンツやオンラインゲームといったエンターテイメント分野にとどまらず、金融、教育、AI 事業など、ジャンルを問わず消費者のニーズを先取りしたさまざまなサービスを展開する DMM.com のビジネススタイルは、日本のインターネットカンパニーの中でも非常にユニークなものです。こうした広範なサービスを安定的に提供していく上では IT が不可欠であり、同社においても将来的な拡張を視野に、常に最新の IT ソリューションをウォッチし続けています。その中で数年来にわたる継続課題となっていたのが、膨大なデータ資産を保護するためのバックアップシステムの構築です。IT インフラ本部 インフラ部 IaaS 開発チームの伊藤真一氏は次のように話します。「バックアップについて、従来は USB で接続した HDD にデータを移行しながら、不具合などが生じた場合は複数のスペアサーバを用意しておいて、その都度交換するといった運用を行っていました。そこでは、動画コンテンツなどはデータがロストした場合はマスターデータから戻すなど、煩雑な作業も発生していました」データベースだけは定期的にバックアップを取っていたといいますが、同社のビジネスの要となる大規模な仮想化基盤の仮想マシン上で LVM スナップショットをとる手法は、サーバの台数が増えるほど負荷が増大します。「しかも、差分だけではなく全データのバックアップを繰り返していたため、データが膨大になるにつれて1日では処理が終わらなくなりました。今後もデータ量が増え続けることを考えると、もはや抜本的に仕組みを変更しないかぎり対処できない状況でした」(伊藤氏)同様に IaaS 開発チームのチームリーダーを務める高橋尚史氏も、限られた人的リソースで IT 基盤を運用する上で、多くの企業に共通するバックアップの課題を次のように振り返ります。「バックアップは高度な専門知識が必要となるだけでなく、設定や運用も複雑なものが多い。それだけにデータバックアップの重要性は理解していたものの、実際に業務への影響が懸念されるようになるまで本格的な検討ができていませんでした」

「今後もデータ量が増え続けることを考えると、もはや抜本的に仕組みを変更しないかぎり対処できない状況でした」

伊藤 真一
IT インフラ本部 インフラ部IaaS 開発チーム, 合同会社 DMM.com


 


導入ソリューション

Rubrik のシンプルな操作性とパートナーの支援を評価

これらの課題の解決に向けて、DMM.com がバックアップソリューションの本格的な検討を開始したのは 2019 年 11 月。IaaS 開発チームは独自の業務要件に基づいて RFP を作成し、複数のベンダーから募った提案の中から製品選定に着手しました。「その後、2020 年 2 月には 3 つの製品に絞って具体的な検証をスタートさせたのですが、このタイミングで新型コロナウイルス感染症のパンデミックが世界規模で猛威を振るい、日本でも 4月 7 日に緊急事態宣言が発令される事態となりました。そのため、検証はリモート環境で行うこととなり、メンバーが現場で直接話せない分、いつも以上にコミュニケーションを意識しながら、それぞれの製品の機能や運用についての確認を進めていきました」(伊藤氏)すべての製品の検証を終えた結果、いずれも必要とする機能要件を満たしていることが明らかになり、費用面でも大きな差はなかったといいます。こうした中で、同社は最終的に Rubrik のCloud Data Management(CDM)の採用を決定しました。「決め手となったのは、Rubrik のシンプルな操作性と導入パートナーであるノックス株式会社のサポート力です。Rubrik 製品については数年前から知っていましたが、最初の印象は非常に洗練されているなというものでした。そのことが検証を通じてあらためて確認できたことに加えて、リモートが中心となった 2カ月間にわたる検証期間の中でのノックスのレスポンスの速さと的確な技術支援が安心感につながりました」(高橋氏)


 

「リモートが中心となった 2カ月間にわたる検証期間の中でのノックスのレスポンスの速さと的確な技術支援が安心感につながりました」

高橋 尚史
IT インフラ本部 インフラ部IaaS 開発チーム チームリーダー, 合同会社 DMM.com

結果

データ復旧はわずか数分、バックアップのディスク容量も 10 分の 1 に

すでに運用がスタートした Rubrik の CDM について、伊藤氏は次のように話します。「仮想マシンのデータバックアップは、今後は私たちではなく各サービス部門のメンバーが運用していきます。SLA ドメインを作って、仮想マシンに紐づける。障害が発生した際には、彼ら自身でリカバリ、リストアまで行うことを想定しています」そのためには、バックアップポリシーを簡単に設定でき、ユーザーインターフェイスを直観的に使えることは非常に重要な要件となります。また、このことはメンバーへのトレーニングや手順書作成といった工数の大幅な削減にもつながります。「もちろん、機能面でも素晴らしい成果が確認されています。たとえば、これまでデータ復旧は複数のスタッフが数時間かけて行っていたのに対し、Rubrik であれば簡単な操作だけでわずか数分で完了します」(高橋氏)また、仮想化基盤である VMware のバックアップ API を使った vStorage API for Data Protection(VADP)による永久差分バックアップを採用したこともあり、バックアップに要する時間は飛躍的に短縮し、ディスク容量もこれまでの 10 分の 1 程度という効果が生み出されています。

「もちろん、機能面でも素晴らしい成果が確認されています。たとえば、これまでデータ復旧は複数のスタッフが数時間かけて行っていたのに対し、Rubrik であれば簡単な操作だけでわずか数分で完了します」

高橋 尚史
IT インフラ本部 インフラ部IaaS 開発チーム チームリーダー, 合同会社 DMM.com

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