概要

『インターネットを通じて、世界をより良くする』をミッションに掲げ、ゲーム事業を中心にライブエンターテインメント事業、メディア事業、広告事業など幅広いビジネスを展開するグリー株式会社。同社 開発本部 情報システム部の姫野貴人氏は、会計システムチームに所属し、会計システムをはじめ稟議、支払系のシステムなどの構築・運用を担当しています。もともとはIT基盤チームでインフラの構築に携わっていたこともあり、今回のバックアップシステムの刷新・統合プロジェクトにおいても中心的な役割を担っています。姫野氏は、同社の情報システム部が抱えていた課題をこう語ります。「グリーの情報システム部は、業務委託も含めて60人くらいで業務を行っており、本社からグループ会社まですべての情報システムを運用・管理しています。6つのチームに分かれ、それぞれがバラバラにシステムを構築していたため、運用・管理の作業が非効率化しているという課題を抱えていました」

課題

  1. レガシーなシステムと乱立したバックアップツールの運用・管理

  2. ITGC(ITにかかる全般統制)

結果

  1. バックアップ/リストアの運用負荷軽減

  2. 高速処理による作業時間の短縮

  3. 属人化の解消

ITトランスフォーメーションの成果

  1. バックアップシステム構成を簡素化

  2. 運用負荷の削減

  3. リソースの再分配

課題

レガシーシステムからの脱却に合わせバックアップ体制の見直しを図る

業務ごとに個別でシステムを構築・運用してきたことの弊害は、バックアップ環境にも及んでいます。「以前はシステムごとにバックアップシステムを構築していたので無駄が多く、容量不足で世代管理が行えなかったり、特定の担当者しかリストアが行えない属人化が生じたりと、さまざまな課題が顕在化していました」と姫野氏。システムの老朽化も進み、早急な対応が求められていたと振り返ります。そこでグリーでは、2017年末のデータセンター移設を機に、レガシーなシステムからの脱却に取り組みます。その当時は、予算を確保していなかったこともあり、バックアップシステムの刷新は行われませんでしたが、IT基盤の刷新に合わせバックアップ環境の一元化を図りたいという思いは強くなったといいます。特に姫野氏の所属する会計システムチームでは、会計監査でバックアップ体制がチェックされることもあり、バックアップ環境の見直しは急務でした。「バックアップ環境の一元化にあたっては、実際の業務に沿ったものにすることが重要です。IT基盤チームだけではIT管理者中心のバックアップシステムになってしまい、運用・管理面の課題が解決されない可能性があります」こうした事情もあって、IT基盤チームのメンバーを熟知するだけでなく、会計監査の要件を満たすバックアップシステムを必要としている姫野氏が中心となり、バックアップ環境刷新のプロジェクトが始動しました。2018年9月から複数システムを一元管理できるバックアップソリューションの選定を開始。VMwareやHyper-Vといった仮想化システムのデータを同時にバックアップできるルーブリックのソリューションが採用されました。「2018年6月くらいにルーブリックのバックアップソリューションについての説明を受けていて、当時から先進的なソリューションだと評価していました。そのため、9月に選定を開始してから採用に至るまでスムーズに進みました。予算の問題もクリアし、同年の12月には導入が決定していました」と、姫野氏は経緯を語ります。全社的なバックアップシステムの刷新という大規模プロジェクトでありながら、3カ月程度で導入決定に至った理由は、それぞれのシステムがバックアップの課題を抱えていたことにあります。会計システムチームでは、これまで使用していた VMware のバックアップ機能「vSphere DataProtection(VDP)」のサポート終了が同年12月に迫っており、新たなバックアップ環境の構築が不可欠でした。他のチームも、運用・管理の負荷増大や属人化などに悩まされており、こうした課題がプロジェクトの早期推進を後押しすることになったといいます。

以前はシステムごとにバックアップシステムを構築していたので無駄が多く、容量不足で世代管理が行えなかったり、特定の担当者しかリストアが行えない属人化が生じたりと、さまざまな課題が顕在化していました」

姫野 貴人
開発本部情報システム部, グリー株式会社


 


導入ソリューション

高速処理のアプライアンスを導入し、運用負荷の大幅な軽減に成功

グリーが採用したルーブリックのソリューションは、一体型のアプライアンス製品「Rubrik r6404s」でした。「これまでのバックアップソリューションは寄せ集めでハードウェアとソフトウェアを組み合わせており、設定が複雑で障害時の対応先も切り分けづらいという問題を抱えていました。そのため、刷新を図る際には一体型のアプライアンス製品にしたいと以前より考えていました。Rubrik r6404s は処理速度が抜群で、4つのノードで併行して複数システムのバックアップが実行できるため、今回のプロジェクトに最適な製品と判断しました」と姫野氏は語ります。


 

「これまでのバックアップソリューションは寄せ集めでハードウェアとソフトウェアを組み合わせており、設定が複雑で障害時の対応先も切り分けづらいという問題を抱えていました。」

姫野 貴人
開発本部情報システム部, グリー株式会社

結果

パブリッククラウドのバックアップもルーブリックへの一本化を検討

ルーブリックのバックアップソリューションを導入してから1年が経過していますが、現在のところ大規模なリストアが必要な障害は発生していません。姫野氏は会計システムのOSバージョンアップ後に特定のフォルダを戻す作業などにリストア機能を活用しているといいます。「幸いなことにシステム全体のリストアが必要となる事故は起きていませんが、ルーブリックはファイル、フォルダ単位のリストアにも対応しているため、データ保管庫のようなイメージで有効に活用できています」グリーではパブリッククラウドを利用する部署も増えてきており、今後はパブリッククラウドのバックアップ体制もルーブリックに一本化することを検討していると姫野氏。オンプレミス・プライベートクラウド・パブリッククラウド間の移行もスムーズに行えるようになることを期待しています。「これからは、必要に応じてプライベートクラウド・パブリッククラウドを使い分けたり、オンプレミスに戻したりと柔軟にシステム運用を行えることが重要です。その意味でも、ベンダーに縛られず、データセンターからクラウドまであらゆる環境に対応するルーブリックのソリューションが果たす役割は、今後ますます大きくなっていくと考えています」

「これまではバックアップを実行すること自体が一大イベントだったのですが、高速処理のルーブリックを導入したことで、バックアップ=面倒な作業という意識がなくなり、たとえば『パッチを当てる前にとりあえずバックアップを取っておく』といったバックアップ本来の使い方ができるようになりました。今では、メインの作業を行う前に10分程度でバックアップを取り、安心して作業に臨んでいます」

姫野 貴人
開発本部情報システム部, グリー株式会社

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Don’t Backup. Go Forward.