3日以内

データ復旧目標はわずか3日以内

可視化

いつ、どのデータが攻撃されたのかを特定

最小化

事業停止による「倒産リスク」が最小化

課題

  1. 高度化する攻撃による事業停止・倒産リスクの回避

  2. M&A成長を支える「物流を止めない」体制の構築

  3. 安全なデータによる早期復旧の実現

ソリューション

  1. バックアップシステムの破壊を防止

  2. データをイミュータブル(不変)な状態で保持

  3. 被害範囲とクリーンな復旧ポイントの可視化

効果

  1. 攻撃を受けた時期とデータの範囲が特定できる

  2. 一度バックアップを取ると、物理的な変更・削除が不可能に

  3. 優れたUIのおかげで、状況把握と対処がスムーズ

総合物流企業のSBSホールディングスは、2003年の株式上場以来、20年余りで年間売上高が25倍以上、営業利益は53倍と急成長を遂げています。成長の原動力は、大手メーカーの物流子会社などを30社以上もM&A(合併・買収)してきたこと。買収した物流会社の大半は、その後も元の親会社の物流を請け負うことになるため、いかに「物流を止めない」体制を築き上げられるかがM&A戦略の継続を左右します。中でも重要なのが、サイバーセキュリティ対策です。その一環として同社は2024年、ランサムウェア対策に特化したバックアップ/リカバリーソリューションであるRubrikを導入しました。じつはSBSホールディングスには、かつてランサムウェア被害に遭い、業務停止による「倒産リスク」の大きさを思い知らされた経験があります。そこで、従来の「防御」を中心とするサイバーセキュリティから、「迅速な復旧」を柱とするサイバーレジリエンスへとかじを切る決断をしました。同社は、「『倒産リスク』を回避するためのソリューションとして非常に投資対効果が高い」と、Rubrikを高く評価しています。

ランサムウェア攻撃を受けた苦い経験から

強固なサイバーセキュリティ体制の重要性を再認識

 前述したように、SBSホールディングスには、過去に1度ランサムウェア攻撃を受け、危うく事業が停止しかけた苦い経験があります。

 これが、強固なサイバーセキュリティ体制の重要性を再認識する大きなきっかけとなりました。

 攻撃が発覚したのは、17年のある日のこと。

「その日の未明、会社支給の携帯電話が何度も鳴り響くのを聞いて目を覚ましました。携帯を開くと、よく分からないエラーメールやアラートが大量に転送されていました。状況が分からないので、リモートPCを立ち上げ、社内ネットワークに入ろうとしましたが、全くつながりません。相当大きな事故が起きているな、と感じて、すぐ会社に駆けつけました」

 こう振り返るのは、同社 グループITインフラ統括部長の宮崎 健氏です。

「近年のサイバー攻撃は、急速に進化するAIにより、高度化、巧妙化が飛躍的に進んでいます。当グループの経営層も、サイバー攻撃による倒産は『十分に起こり得るリスクである』という認識を強くし、対策強化のために積極的な投資を行いました」

SBSホールディングス株式会社 グループITインフラ統括部長
宮崎 健 氏


 


侵入経路と時期を特定できたことが不幸中の幸い

万一、特定できなければ倒産していた可能性も

 宮崎氏が会社に着いて調べてみると、複数台のクライアントPCにランサムウェアの脅迫メッセージが表示されているのが見つかりました。まだ出社時間前だったので、PCを立ち上げることを全面禁止し、ネットワークやサーバーもすべて遮断。判断が早かったおかげで、被害の拡大は何とか食い止められたそうです。

 しかし、業務に欠かせないデータがランサムウェアの“人質”にされたことで、ほぼ1週間、システムが動かない状況が続いてしまいました。

「幸いなことに、ランサムウェアの侵入経路と時期は特定できたので、影響を受けていないバックアップデータを使って、1週間程度で何とか大半の業務を復旧することができました。仮に、どの範囲のデータが影響を受けているのかを特定できず、まっさらな状態からハードウェアやシステムを組み直したとしたら、復旧までに数カ月かかっていたかもしれません」と宮崎氏は振り返ります。

 実際に数カ月も業務が止まってしまったら、会社としての存続そのものが危うくなります。売上の減少や、信頼の低下といった生易しいリスクではなく、「倒産リスク」が現実味を帯びることになるのです。

 

「攻撃があったかどうか」「いつ攻撃されたか」が

特定できるソリューション

「倒産リスク」を抑えるため、同社は23年ごろからサイバーレジリエンス対策を本格的に開始しました。

 SBSホールディングスは当初、メインのデータセンターのほかに「第2センター」を設け、そこで毎日バックアップデータを取って、万一の際には第2センターで早期復旧することを検討しました。しかし、社内ネットワーク上にウイルスが潜んだままの状態でデータを戻しても、第2センターにも感染してすぐに使い物にならなくなるのは目に見えています。「かといって、他に選択肢がなかったので、すべてのウイルスを駆除できた可能性に賭けて第2センターを設けるつもりでした」と宮崎氏は明かします。

 ところがある日、宮崎氏はRubrikの担当者から話を聞いて、考えを改めました。第2センターの設置から、Rubrikの導入へと方針を転換したのです。

 宮崎氏が興味を持ったのは、Rubrikがランサムウェア対策を念頭に置いて開発を重ねているバックアップソリューションであるということでした。

「『ランサムウェアによる攻撃があったかどうか』さらに、『いつ攻撃を受けたのか』といったことを可視化できるソリューションだと聞いて驚きました。他のバックアップソリューションで、そこまでの機能を持つものは見たことがありませんでしたし、それが実現できるなら、どのタイミングまで戻れば安全なデータが利用できるのかが分かり、業務の早期復旧が可能になるからです」(宮崎氏)

 宮崎氏がRubrikを評価したポイントは、他にもあります。1つは、サイバー攻撃によって壊されにくい独自OSを採用していること。他のバックアップ製品は汎用OS上で動くものが多く、OSがランサムウェアに感染して壊されると、バックアップシステムが動かなくなってしまう恐れがありますが、Rubrikはシステムが影響を受ける可能性は低く、復旧に支障を来す心配は大きくありません。


 

「『ランサムウェアによる攻撃があったかどうか』さらに、『いつ攻撃を受けたのか』といったことを可視化できるソリューションだと聞いて驚きました」

SBSホールディングス株式会社 グループITインフラ統括部長
宮崎 健 氏

「倒産リスク」を回避するという観点では

防御を積み増すよりも投資対効果の高い選択肢

 またRubrikには、一度バックアップデータを取得すると、物理的に変更・削除できないようにする改ざん防止(イミュータブル)機能も備わっています。

 さらに、バックアップの設定を変更する場合、管理者だけでなく承認者による2段階の承認が必要とされ、両方のアカウントを奪わないと攻撃できない仕掛けになっていることなども、宮崎氏は高く評価しました。

 手始めに、オンプレミスで運用している仮想基盤のバックアップ/リカバリー用として24年に採用。同社はこのほか、仮想基盤とクライアントPCのネットワークを分離して外部からの侵入が仮想基盤に及ばないようにするランサムウェア対策も講じていますが、Rubrikは万が一、それをすり抜けられた場合の“保険”として運用しています。「仮に侵入されてデータが“人質”に取られても、3日以内にデータを復旧させるという目標を定めていますが、Rubrikがあれば実現不可能な目標ではないと信頼しています」(宮崎氏)。

 その後、同社は、26年2月にファイルサーバーのバックアップ用。同年6月にはMicrosoft 365のSharePointのバックアップ用としてRubrikを採用。さらにActive Directory(AD)のバックアップ用としても導入準備を進めています。

 最後に宮崎氏は、「業務を早期復旧させるには、使える状態のデータを速やかに戻せる仕組みを採用するのが有効です。Rubrikは、それを実現できる数少ないソリューションであり、『倒産リスク』回避という観点では、防御をさらに積み増すよりも投資対効果の高い選択肢だと言えそうです」と高く評価しました。


 

「ランサムウェア被害の95%以上は、ローカルのActive Directory(AD)を狙ったもの、または経由したものなので、そのバックアップ/リカバリーをいかにしっかり行えるかは非常に重要です。現在、ADのバックアップ用としてもRubrikの導入準備を進めています」

SBSホールディングス株式会社 グループITインフラ統括部長
宮崎 健 氏